ガルニシアは、東南アジアから南アジアに自生する、ガルニシア・カンボジアという柑橘類に由来するサプリメントです。

果実に含まれるヒドロキシクエン酸（HCA）という成分には、食欲を調節し、脂肪の合成を抑制する働きがあり、ダイエットのために用いられています。

ガルニシアには、主に、脂肪の合成抑制、空腹感の抑制、抗肥満作用などの効果が期待されています。

ガルニシアの作用

摂取した食物のうち、余った栄養分は中性脂肪として脂肪細胞や肝臓に蓄えられます。ガルニシアに含まれるヒドロキシクエン酸（HCA）は、余剰となった炭水化物から脂肪酸の合成を抑制することで、余分な脂肪がたまるのを予防する作用があります。

例えば、米やパン、麺類などの炭水化物を多くとるとき、炭水化物はピルビン酸に分解されます。ピルビン酸は、細胞の中で代謝を受けて脂質やコレステロールの合成にも利用されます。
ヒドロキシクエン酸（HCA）は、細胞内に存在するクエン酸開裂酵素の働きを阻害し、脂肪酸やコレステロールの合成を減少させます。

コレステロールや、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロールなど、あらゆる種類の脂質の合成が、ヒドロキシクエン酸（HCA）によって抑制されることが示されています。

ガルニシアの安全性と摂取ポイント

通常の食材に近い成分であるため、問題となる健康被害や副作用は報告されていません。また、他のサプリメントや医薬品との相互作用は報告されていないため、併用は問題ないと考えられています。しかし、何らかのサプリメントや医薬品と併用する場合は、念のため主治医に相談することが望ましいでしょう。

なお、国立医薬品食品衛生研究所の発表によると、ラットに高用量のガルニシアパウダーを長期間投与した動物実験において、精巣への悪影響が認められました。ただし、投与量をヒトの体重で換算すると、非常に高用量であるため、一般のサプリメントとして摂取する場合に問題が生じるとは考えにくいとされています。

この動物実験の結果に基づき、厚生労働省は安全確保のため２００２年３月７日に、ガルシニアの過剰摂取を控える旨の注意喚起を、関係団体に通知を行っています。